【中小企業会計要領について】 |
これからの中小企業経営に重要なものは「会計の力」だ。
従来から会計は大切なことだったが、今後は「会計の力」の差が企業力の差につながる時代になった。その一つの表れが「中小企業会計要領」だ。この会計ルールは平成24年3月27日に発表され、新しい中小企業会計のスタンダードにしようと関係機関、団体がその普及に努めている。
中小企業庁webサイトにその意義が記載されている。「「中小企業会計要領」に従った会計処理を行うことにより、経営者が必要な財務情報を入手し、それに基づき自社の経営状況を的確に把握することは、新規投資や経営改善の際の適切な経営判断の前提であり、また、金融機関等の利害関係者に対して、正確に自社の財務情報や経営状況を説明するために必要です。中小企業の経営者が、会計の重要性を認識し、財務情報に基づき経営判断を行うことにより、企業の経営力や資金調達力の強化や取引拡大につながることが期待されます。」
私も平成25年11月に中小企業基盤整備機構の中小企業会計啓発・普及セミナーの講師をし、「会計を経営に活かす」をテーマに話をさせていただいた。この時の講義の主眼は、中小企業会計要領を活用すると、どのように企業にプラスなるか、というものだった。そのプラス面は次のようになる。
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1) 財務の把握 |
財務を把握し、自分の企業の財政状態と経営成績を知り、経営の月単位の羅針盤を手に入れる。
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2) 経営改善等 |
売上高総利益率(粗利益率)、経常利益(率)、売掛金、在庫と資金繰り、借入金と返済原資である利益との比較、自己資本比率などで経営を高度化する具体的な方法が分かり、改善に取り組める。
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3) 金融機関からの信頼 |
安全な融資先、成長企業、事業計画に基づいた高い経営力、しっかりした財政基盤など金融機関から見て優良な中小企業になるためにはその経営が判断できる信頼できる決算書が必要になる。
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4) 得意先、仕入先からの信頼 |
代金を確実に回収でき、儲けさせてくれる。たくさん販売してくれる経営力。良い商品の継続した供給。倒産しない財政的な安全性。良い得意先、仕入れ先に恵まれて経営することが資金、利益の源泉となる。
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「中小企業会計要領」は、小規模企業も含めた中小企業の実態やニーズを考えて作られた新しい会計ルールであり、取り組みやすく、経営の高度化を目指すことができる。
日本政策金融公庫など金融機関の融資、信用保証制度など、この会計の活用に取り組む中小企業に対する普及支援策も充実している。
ぜひ貴社も「中小企業会計要領」を導入してください。
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