【平成25年1月1日からの所得税の改正について】 |
今年も新しい年になり、確定申告の時期になりました。
毎年の確定申告は前年の所得税の精算が行われます。これから前の年、平成24年の所得税の確定申告を行なっていくことになります。
それとは別に平成25年1月から所得税の取り扱いが変わる点があり、ご紹介します。
改正の内容は次の通りになります。
1) 復興所得税の課税
2) 退職所得課税の見直し
3) 給与所得控除の見直し
4) 特定支出控除の見直し
それでは、その内容を見ていきましょう。
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1) 復興所得税の課税 |
平成25年から49年までの25年間、所得税額の2.1%が復興所得税として新たに課税されます。給与だけでなく、預貯金の利子、株式等の配当金、売却益も課税の対象ですので、従来の所得税以外に復興所得税が課税され、源泉徴収されることになります。
源泉徴収すべき復興特別所得税は、新しい「源泉徴収税額表」で算出し、所得税と復興特別所得税の合計額で納付します。退職金についても新たな速算表で算出します。
法人が利子等から源泉徴収された復興特別所得税は、法人税額から控除できませんが、復興特別法人税からの控除は可能となります。 |
2)退職所得税の見直し |
役員等に支払う退職所得等に対する軽減措置である2分の1課税が、勤続5年以下の特定役員退職手当等については廃止となりました。勤続年数に1年未満の端数がある場合は切り上げられます。
使用人兼務役員の期間がある場合など、源泉徴収税額の計算方法が複雑になる場合があり、注意が必要です。
また、退職所得についても住民税についての2つの変更点があります。
まずは、退職所得に係る10%税額控除が廃止になります。個人住民税はすべての退職所得の金額に対し、それぞれ市町村民税(6%)と都道府県民税(4%)の税率を乗じて求めた税額となり、平成25年1月1日以後は税額の10%は控除しません。
また、所得税と同じように、勤続年数5年以下の特定役員に係る退職手当金等については2分の1課税が廃止になります。 |
3)給与所得控除の見直し |
その年の給与等の収入金額が1,500万円を超えた場合、給与所得控除額を254万円とする上限が設定されました。
年収が1,500万円超の高額な給与の方は課税所得が増え、増税になります。 |
4)特定支出控除の見直し |
適用判定基準が緩和され、特定支出の拡大が図られました。 |
これらの改正は、平成24年度の税制改正によるもので、すべて平成25年1月1日から適用されるものです。 |
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